マンションリフォーム2
前回に続き最近手掛けたマンションリフォームをご紹介します。
ご夫婦と3匹のネコが暮らすこの住まいは築30年ほどのマンションです。
キッチンやお風呂など水周りも含め全面的に行うことになった今回のリフォーム。
コンセプトは「人とネコの居心地のいい場所」です。
築30年、汚れや傷みも目立ってきたマンション。
共働きで多忙な日々を送るご夫婦のために、
家で過ごす時間を最高にリラックスできるものへとデザインしました。
施工前→施工後
壁の色を思い切った黄色に塗ることでかなり印象が明るくなり、視線を遮らない
電気パネルヒーターが手前のリビングと奥のワークスペースを緩やかに仕切っています。
最後の仕上げはとっておきのニレの一枚板テーブル。
玄関です。
玄関ドアはマンションの共用部分に含まれるため改造することができません。
そこで部屋の中にもう一つ格子の引き戸を作ることで雰囲気を変え、
玄関収納も格子の引き戸に合わせてデザインしています。
玄関の小窓は隣の寝室とつながっていて、中のディスプレイなども楽しめます。
味気ないベランダにも一工夫。
デッキをおいて、周りに白砂利を敷き詰めるだけでこんなに印象が変わります。
リビングのソファーや家具のコーディネートも
部屋の雰囲気に合わせてトータルでご提案します。
ワークスペースには2人分のデスクとたくさんの本を収納できる棚を取り付けました。
材はナラで着色しで仕上げています。
住居の設計やインテリアを考えるときに大切なポイントに「人の動く道=動線」を
計画することがあります。例えばキッチン回りの使い勝手や、洗濯してから干すまでの動きなどに
かかわる「家事動線」などです。
ところがこの家では「ネコ動線」が主役かつ重要なポイントでした。
3匹のネコたちはそれぞれトイレに行ったり、ご飯を食べたり
昼寝をしたりとくるくると動き回り、毎日忙しくしているようです。
彼らが好きなときに行き来できるように、寝室や洗面所などのドアの隅に
ネコのための道(ネコ穴)をつくりました。
完成後にネコたちがこの穴を通っているのを見たときはよしよしと思いました。
お客様との打合せをかさね、希望や要望に沿えるようにつくりあげていく
設計の仕事ですが、やはり完成するまでは本当の居心地はわかりません。
天気のいい時は日だまりのあるソファーの上でネコが昼寝をしているそうです。
彼らの言葉を聞くことはできませんが、その姿を見れば
「いい仕事ができたのかな」と嬉しく思えます。
室長S